J-GLOBALについて

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科学技術情報に特化した検索機能 東京農業大学 地域環境科学部 造園科学科 准教授 國井洋一氏

玉石混淆な情報の中から、いかに求めている有用な情報を収集できるかが、研究開発の生産性向上のポイントのひとつとなる。(独)科学技術振興機構(以下JST)が提供するWebサービス「J-GLOBAL(科学技術総合リンクセンター)」は、国内外の幅広い科学技術情報の検索をはじめとする多彩な機能によって、研究開発者を支援する。今回は、東京農業大学 地域環境科学部 造園科学科 准教授 國井洋一氏を迎え、J-GLOBALの活用による研究の生産性向上について話を聞いた。

Web検索エンジンの限界
人脈拡大にも苦労する

図:國井氏が取り組む研究テーマの一つ 「フラクタル解析を用いた尾瀬国立公園におけるシークエンス景観の定量分析」 國井氏が取り組む研究テーマの一つ 
「フラクタル解析を用いた尾瀬国立公園におけるシークエンス景観の定量分析」

インターネットでの情報収集は、研究開発者にとって欠かせない。必要な科学技術情報のリサーチをはじめ、共同研究者や関連研究部門の発掘など、いかに求めている有用な情報を入手できるかが、研究開発の生産性に直結する。
造園空間や都市空間を研究テーマとする國井氏は近年、景観の美しさ・心地よさをフラクタル解析の手法で定量化する研究や地上型レーザースキャナによる景観把握の研究などに取り組んでいる。また、CGを使って過去の景観を再現する研究なども手がける。

「もともとは建設工学を専攻しており、写真測量を専門としていました。現在は測量の分野で過去に培った定量的な解析手法などを、造園や都市設計分野に活かして研究しています」と國井氏は説明する。研究と平行して、学生への教授や研究指導も努めている。
國井氏は自身の研究に関連する文献等をインターネットで探す機会が多い。その際はWeb検索エンジンを使っているのだが、さまざまな苦労が伴っていた。
「例えば、私の専門分野の名称である『造園』をキーワードに検索すると、ガーデニングの個人ブログなど、研究と関係ない一般的な情報が多くヒットしてしまいます。そこから目的の情報へとたどり着くのに、いつも苦労していました」(國井氏)
また、國井氏は研究者同士のネットワークづくりにもインターネットを活用しているが、文献の検索と同様に、思うように進められないことが多くあった。
「私自身が幹事を務める研究会があり、毎回どなたかに発表をお願いしています。発表者の候補は私個人の人脈だけではさすがに限界があるので、インターネットを使って研究テーマに関連する発表者を探すこともありますが、Web検索エンジンを使ってもなかなか見つけることができません。いつも各大学のホームページをひとつひとつ開いて、時間をかけて丹念に探すしかありませんでした」(國井氏)

欲しい情報を的確に検索できる
思いがけない情報にも出会える

写真:國井 洋一 氏

そのような大学での情報収集における悩みを解決し、新たな活動のきっかけとなる、國井氏が注目するWebサービスがJSTの「J-GLOBAL」だ。研究者や文献、特許情報をはじめとする研究開発に必要な基本的な情報を有機的につなぐことで、異分野の知や意外な発見、新たなひらめきなどを支援する無料のWebサービスである。

J-GLOBALは科学技術情報の検索に最適な独自の機能を備えている。その品質の高さは、文献や研究者情報などのデータベースサービスの運営、科学技術用語辞書の構築など、JSTの豊富な実績およびノウハウに裏打ちされている。

國井氏はJ-GLOBALの検索機能について、「キーワードに『造園』を指定して検索すると、造園の研究に関連した科学技術情報だけがヒットするので、いちいち絞り込む必要がなくて助かります。しかも、ある文献情報から関連する特許情報等を案内する機能もあり、検索結果からさまざまな関連情報をたどることができます」と評価する。

入力したキーワードに対して案内される別名(同義語)に基づく表記揺れを考慮した検索にも、國井氏は利便性を実感している。J-GLOBALは読みが同じで表記が異なる用語(例:りん化合物、リン化合物、燐化合物)のみならず、学術用語としての表記の違いも案内する。
「同じ意味でも、たとえば、研究者によっては『景観』を『ランドスケープ』と表記する場合があります。J-GLOBALなら、別名が案内され、そのような違いを吸収して検索できるので助かりますね」(國井氏)

その上、海外の文献情報についても和文タイトルが付いているので、「キーワードに『造園』を指定するだけで、海外文献情報も同時に表示されて驚きました。網羅性も高く、海外の非常にまれな文献まで探せるところがよいですね」(國井氏)と重宝している。

また、指定したキーワードに一致する情報に加え、関連性が高い情報もあわせて検索結果に表示される点にも可能性を感じている。

「私はよく学生に『論文を探す際、目的の論文の周囲にも、発想が広がるような興味深い論文がある』と提言しています。そのような論文をインターネットで探すのに、従来は自分でキーワードをいろいろ変えながら何度も検索していましたが、J-GLOBALを使えば簡単に関連情報が入手できます。今まで見つけることができなかった思いがけない情報に出会え、発想が広がります」(國井氏)

自分が必要とする「人」を見つけることができ、コンタクトを取れる

図:特定キーワードに関する論文発表数の時系列グラフ 特定キーワードに関する論文発表数の時系列グラフ

J-GLOBALが有機的につなぐ対象は、科学技術情報だけでなく、「人」も含まれる。研究テーマや発表した論文や特許などから研究者を検索でき、さらには研究者情報にある「研究者に問い合わせ」ボタン※をクリックして本人に直接問い合わせることも可能だ。

「これまでは、私が幹事を務める研究会の発表者探しに苦労していましたが、J-GLOBALを使えば、私と研究テーマが近い研究者を今までよりも格段に効率よく探せます。手軽にコンタクトを取れるので、ネットワークをより広げられそうですね」(國井氏)

國井氏は今後、J-GLOBALの他の機能も積極的に利用していく予定だ。たとえば、研究テーマのキーワードと関連する論文数の時系列変化をグラフ化する機能によって、技術傾向の分析を行う。また、研究内容に関連する特許の情報を調べ、企業との共同研究の糸口を探るなどの活用も視野に入れている。「J-GLOBALをもっと有効活用して、私自身の研究はもちろん、学生の指導にも役立てたいですね」と話す國井氏。これからも造園空間や都市空間の分野での活躍が期待される。

※「研究者に問い合わせ」ボタンは、ボタンの表示を許可している研究者の情報ページに表示されます