抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年のM&Aブームの重要な特徴は,企業がM&Aを成長戦略の一部として位置づけたこと,M&Aが成熟企業のポートフォリオの組替えの手法として利用され始めたことにある。本稿では,まず,どのような要因が企業のM&A戦略の採用を支えているのかを,企業の統治構造や組織構造の違いに焦点を当てて分析した。具体的には,M&Aブームの背景(制度変化とインフラの整備)およびブームの経済的要因について述べ,個々の企業の持つ特性とM&A戦略の意思決定について,1)個別企業の金融的側面,2)企業統治に関連する要因,3)持株会社のM&Aに与える効果,に着目して検討した。さらに,東証1・2部上場の非金融事業法人における企業買収・資産取得の選択の決定要因を推計し,その結果,キャッシュフロー保有の多寡,経営者の株式保有,機関投資家の保有比率,取締役会メンバーの構成,持株会社形態の採用の有無が,企業のM&Aの選択に有意な影響を与えることが明らかになった。