抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿では,保護者相談におけるスクールカウンセラーのマネジメント機能について論じた。スクールカウンセラーが,社会資源としての学校と子ども,保護者との「つなぎ役」として機能することに着目し,この機能の特徴が顕著に示され,身近な教師を経由しない来談経路を経た保護者相談事例を元に,スクールカウンセラーのマネジメント機能について考察した。身近な教師を経由しない保護者相談の特徴は,学校や教師について事実に基づかない否定的な思い込みを持っていることである。中学校に入学して間もない子どもを持つ保護者世代,特に母親は家庭内および学校との関係が希薄になることで孤独になりがちである。それが,学校での環境調整を求めながら,教師を回避し,スクールカウンセラーヘの来談経路をたどる原因となる。したがって,この場合には,保護者の健康度を適切にアセスメントした上で,画一的に狭義の心理療法を行うのではなく,それ以前に保護者-学校をダイレクトにつなげるというマネジメント機能を検討し,可能であれば本来の保護者-学校関係へと戻していくことが大切である。本稿では,このような保護者の生活背景,そこに存在する「保護者の中1ギャップ」,保護者-学校間のコミュニケーションの空白と否定的推測との関連,そして保護者の援助モデルについてのアセスメントという視点から,スクールカウンセラーのマネジメント機能について考察した。