抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
スマートフォンやノートパソコンといったモバイル端末からデータセンタで利用されるサーバーマシンまで,あらゆる計算機において消費電力の削減が最重要課題となっている。これは,消費電力の削減によりモバイル機器においてはバッテリー持続時間の延長により利便性が大幅に向上し,またサーバーマシンにおいては膨大な電力コストや空調コストの削減が実現できるからである。これらの計算機は高性能かつ低消費電力を実現するためにマルチコアプロセッサを搭載したものが主流となっている。しかしながらマルチコアの資源を有効活用してこれらを実現するためには,プログラムの並列化が不可欠であり手動で行うには膨大な工数を必要とする。本稿では,医用・防犯・個人認証・車載などで広く利用されているリアルタイム物体認識処理に対して,OSCAR自動並列化コンパイラによるDVFS及びclock gatingによる電力制御を適用し,現在幅広く利用されているIntel Haswell Core i7-4770Kマルチコア上で評価した。Intel Haswellマルチコア上で,Webカメラからの画像の入力・人の顔の認識処理・画面描画というリアルタイムなシステム全域における消費電力の削減を行ったところ,1PE逐次実行では電力制御なしの場合の31.06[W]から電力制御ありの場合では28.74[W]に,3PEで並列化実行した場合では電力制御なし場合の41.73[W]から電力制御の場合では17.78[W]に消費電力を削減したことが確認され,物体認識処理におけるマルチコア用のコンパイラ自動電力制御の有用性が確認できた。(著者抄録)