抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
現在の組み込みシステム開発ではMATLAB/Simulinikに代表されるモデルベース開発ツールがよく使用されるようになっている。また,開発されたモデルの複雑化とともに,このようなツールで開発されるアプリケーションのマルチコア上での高性能化,低消費電力化の要求が高まってきている。この要求に対して,モデル中のブロック間並列性を利用した並列化の提案はされているが,ブロック間だけでなく,ブロック内の並列性を利用したアプリケーション全体の並列性を有効利用できる方式は提案されていない。そこで,本論文では逐次Cプログラムから並列化Cプログラムを生成可能なOSCAR自動並列化コンパイラを用いて,MATLAB/SimulinkからEmbedded Coderを使って自動生成されたCプログラムに対して,モデル上に現れるブロック間並列性および,ブロック内のベクトル演算やユーザカスタマイズのコードからループ並列性を抽出し,マルチグレイン並列化を行う。また,マルチグレイン並列化の際に,Simulink上で得られたプロファイル情報を使ったタスクスケジューリングを行うことによりスケジューリングの精度向上を行う。提案手法によりXeon X5670上の6コアを使い,逐次実行時間と比較して道路追従アプリケーションでは4.21倍,血管抽出アプリケーションでは5.80倍,異常検出アプリケーションでは4.10倍の速度向上率が得られた。また,道路追従アプリケーションに関しては逐次の最悪実行時の実行時間と比較して,4.81倍の速度向上率が得られた。(著者抄録)