抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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医薬品や遺伝子などの機密性の高いデータに対する各種処理をクラウドなどの第三者のサーバ上で行う場合,第三者のサーバからの機密情報漏洩が懸念される。解決策として,機密情報そのものではなく匿名化したデータを第三者のサーバに保存し各種処理を行う方法が考えられるが,医療分野など,処理の正確性が求められる分野では匿名化を採用することが困難である。この問題を解決するため,本稿では,完全準同型暗号(FHE:Fully Homomorphic Encryption)を用いてデータを秘匿した状態で各種処理を行うことを考える。そして,各種処理の対象として頻出パターンマイニングを取り上げる。FHEを用いた各種処理を行ううえでの問題は,膨大な時間・空間計算量を要する点である。FHEの頻出パターンマイニング手法への適用例としては,Aprioriアルゴリズムを対象としたLiuらのP3CCがあるが,やはり膨大な時間・空間計算量を要する。これに対して本稿では,1)暗号文パッキングによる暗号文数の削減,および,2)暗号文キャッシングによるサポート値計算の高速化によって,時間・空間計算量を削減する手法を提案する。実験評価では,10,000トランザクションのデータセットにおいて,P3CCの430倍の高速化と94.7%のメモリ使用量削減を達成した。(著者抄録)