抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年IoT(Internet of Things)デバイスが普及して,身の回りのモノがインターネットに接続されるようになった.IoTデバイスがネットワークに接続するために重要な役割を果たしているのが,ワイヤレスセンサネットワーク技術である.ワイヤレスセンサネットワーク技術は配線コストの削減やデバイスの設置箇所の柔軟性を向上させることができる.しかしながら,ワイヤレスセンサネットワークにおける重要な課題に電力供給問題がある.電力供給問題を解決する手段として電波電力伝送が考えられている.電波電力伝送によるセンサへの電力供給は,環境発電や電磁界共振結合と比べてセンサネットワークに適した電力供給手法である.電波電力伝送は,電力伝送範囲の問題,定常波問題,供給電力の偏りの問題をかかえている.本研究では,IoTデバイスの電源供給問題を解決する手法として位相制御協調(CPC:Cooperative Phase Controlled)電力伝送を提案する.CPC電力伝送は,複数のアクセスポイントが放射する電波の位相を制御して,IoTデバイス上で定常波の強度を高めることにより定常波問題と供給電力の偏りの問題を解決する.提案手法の有効性を実機評価したところ,CSD電力伝送と比較して供給電力の大きさは最大2.59倍向上,供給電力の偏りは最大55%改善された.(著者抄録)