抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年深層学習モデルは自動運転や医療画像解析などの様々な分野で適用されている.深層学習モデルが誤動作すると,重大な事故が発生する可能性がある.この誤動作を特定し修正するために,既存研究では誤動作の原因となるモデルの構成要素(ニューロンなど)を特定し,それらを修正するアプローチが提案されてきた.しかし,これらのアプローチは入力によって変化する動的な内部状態を持つモデルであるRNN(リカレントニューラルネットワーク)には適用できない.本研究では,RNNの誤動作の原因を特定するため,RNNから抽出した確率的オートマトン上のn-gramに着目したバグ限局(PAFL:Probabilistic Automaton-based Fault Localization)を提案する.PAFLは,確率的オートマトンの状態のn-gramを利用した疑惑値を計算することで,RNNの誤動作の原因を正確に特定できる.さらに,この疑惑値を利用することで,RNNの誤動作と強く関連するデータサンプルを抽出する手法も提案する.本研究の実験により,PAFLはランダムな選択アプローチと比較して,誤動作に強く関連するデータサンプルを統計的有意に抽出できることが示された.具体的には,予測の難しい2つのデータセット(RTMR,IMDB)において,83%の割合でPAFLはランダムに抽出したデータサンプルよりもRNNの予測精度が低いデータサンプルを抽出できる.実験結果から,PAFLはRNNのバグ限局手法として有用であることが示された.(著者抄録)