抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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環境地図の作成を行いながら自己位置の推定を行うSLAMは,自動車の自動運転やロボットの制御に必須の技術である.これらの機器が適切に制御されるためには,ある一定時間内にSLAM処理を可能とするだけの計算能力が必要である.その一方で,これらの機器は設置スペースやバッテリ能力が制限されていることが多く,低消費電力化も重要な課題となっている.本稿では,SLAM処理の代表的な実装の一つであるORB-SLAM3に対して,その中の主要処理の一つであるトラッキングに着目し,本トラッキング処理に要する時間を処理中に得られた値から推定し,推定コストによりCPUの適切な動作周波数・動作電圧を設定する手法を提案する.そして,本手法を並列化したORB-SLAM3に実装し,Nvidia製の組み込みSoCボードであるJetson Xavier NX上で評価した結果について報告する.制限時間を超過したフレーム数と消費電力を評価した結果,提案手法はLinux標準の電力制御ガバナであるPerformanceに比較して71.8%の消費電力で同等の超過フレーム数を達成し,またOndemandガバナと比較して86.6%の消費電力で99.2%の超過フレーム数削減を達成できた.さらに,提案手法を加重移動平均(WMA)予測器による制御と比較して,提案手法は90.5%の消費電力で同等の超過フレーム数を達成した.(著者抄録)