抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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北太平洋亜寒帯域東部に位置するアラスカ湾では,その北西岸を南西に流れるアラスカンストリーム(AS)に中規模高気圧性渦がしばしば観測される(Crawford 2000;2002)。これらの高気圧性渦は,渦自身の沖への伝播と渦外縁における移流などによって,高温低塩かつ栄養塩・プランクトン・微量元素(鉄など)を豊富に含む沿岸水をアラスカ循環中心部へ輸送し,当海域の生物生産に重要な役割を果たしている(Whitney & Robert 2002;Crawford et al.2005;Johnson et al.2005)。アラスカ湾北岸・北東岸で形成された高気圧性渦(Sitka渦,Yakutat渦)の一部とアラスカ半島南岸で形成された高気圧性渦(AS渦)はASに沿って西進し,北太平洋亜寒帯域中西部に到達,アリューシャン列島沿岸域と北太平洋外洋域の海水交換に大きな影響を与えている(Ueno et al.2009)。アラスカ湾の渦と同様に,これらの渦は北太平洋外洋域の生物生産に重要な役割を果たすことが示唆されているが(Ueno et al.改訂中),船舶による渦観測がアラスカ湾内に限られていたこともあり,その内部構造の理解は不十分であった。今回,北海道大学水産学部附属練習船おしょろ丸2009年度北洋航海にて,アリューシャン列島南岸を西進する高気圧性渦の観測を行ったので,その結果を報告する。(著者抄録)