抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,台湾の固有種で原住民により栽培されるタイワンアブラススキにおいて,本植物の形態学的変異の多様性を明らかにするため,日本及び台湾の計7箇所の標本館を訪問し収集されているさく葉標本の調査を行った。タイワンアブラススキの標本データとして採集地,現在の地名,採集日,採集者,所蔵標本館,採集番号を表に示した。所蔵標本点数は日本及び台湾合わせて計38点あったが,本植物は分類学上の混乱もあったことから別属と分類されているものなどもあった。標本調査の結果,タイワンアブラススキは台湾の中央山脈を縦断する形で広く分布しており原住民族の居住域と重なっていることから,標本の多くは原住民族によって栽培されてきたと考えられた。しかし,現在の栽培地は台湾南部の屏東県のパイワンやルカイ等に限られており,1940年代以前の標本しかないことから北部山地や阿里山周辺では早い時期に栽培が消滅した可能性があることが示唆された。