抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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豊島の礼田崎貝塚のデータを,瀬戸内海での出現期貝塚と考えられてきた牛窓湾の黒島貝塚と黄島貝塚などのデータと比較検討した。礼田崎貝塚の土器は山形押型文土器が主体で,黒島・黄島貝塚で産する黄島式土器はない。貝殻組成は,礼田崎貝塚はヤマトシジミがほぼ100%だが,黄島・黒島貝塚はハイガイとヤマトシジミが混在し,その比率は地点により異なる。ヤマトシジミ主体からハイガイ主体という時間的推移,つまり,汽水域から干潟への変遷を示す可能性が高い。3貝塚の15個の貝殻の
14C年代測定値を海洋リザーバー効果を考慮して,年代較正した。礼田島貝塚のヤマトシジミは8200~7800cal BPに,黒島・黄島貝塚のハイガイは7800~7700cal BPにまとまる。土器編年・貝種組成・
14C年代値から,礼田崎貝塚は黄島・黒島貝塚より古く,瀬戸内海における最古段階の貝塚に位置づけることができる。