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J-GLOBAL ID：200902259820765813   整理番号：08A1178534

走査型トンネル顕微鏡によるκ-(BEDT-TTF)₂Cu[N(CN)₂]Brにおけるd-波超伝導ギャップの直接観測

Direct Observation of d-Wave Superconducting Gap in κ-(BEDT-TTF)₂Cu[N(CN)₂]Br with Scanning Tunneling Microscopy

著者 (3件)： ICHIMURA Koichi (Hokkaido Univ., Sapporo) ,  TAKAMI Makoto (Hokkaido Univ., Sapporo) ,  NOMURA Kazushige (Hokkaido Univ., Sapporo)
資料名： Journal of the Physical Society of Japan  (Journal of the Physical Society of Japan)
巻： 77  号： 11  ページ： 114707.1-114707.6  発行年： 2008年11月15日 
JST資料番号： G0509A  ISSN： 0031-9015  CODEN： JUPSA  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 英語 (EN)

抄録/ポイント： 二次元有機超伝導体κ-(BEDT-TTF)₂Cu[N(CN)₂]Brの伝導表面及び横表面を,走査型トンネル顕微鏡を用いた電子トンネリングにより研究した。V-形トンネリングコンダクタンスを,超伝導層における伝導面において観測し,d-波対形成対称性に帰着した。トンネリングスペクトルを,結晶の各種横表面において得ることに成功した。トンネリングコンダクタンス曲線は,トンネリング方向に依存して系統的に変化した。コンダクタンス曲線及びその方向依存性を,k_a及びk_c-軸からπ/4に近い方向に沿ってノードをもつd-波により説明した。対形成対称性はd_x2-y2-波的であった。(もし,磁気Brillouinゾーンに関して,d_x2-y2対称性をもつ高T_cCu酸化物と同じ習慣をとるならば,κ-(BEDT-TTF)₂Cu[N(CN)₂]Brの対形成対称性はd_xy-対称性である)これは,κ-(BEDT-TTF)₂Cu(NCS)₂の超伝導ギャップにおけるそれと同じ対称性であった。ゼロバイアスコンダクタンスピーク(ZBCP)をa-及びc-軸方π/4近くに沿ったトンネリングにおいて観測した。このZBCP結果は,d_x2-y2-波対称性の結論を強固にするものである。(翻訳著者抄録)

シソーラス用語： *有機超伝導体 ,  *二次元 ,  *エネルギーギャップ ,  *走査型トンネル顕微鏡 ,  トンネル効果 ,  *コンダクタンス ,  対称性 ,  方向 ,  オレフィン化合物 ,  硫黄複素環化合物
準シソーラス用語： *d波超伝導体 ,  *トンネリング ,  対形成

分類 (2件)： 有機物系超伝導体の物性  (BM04024Z) ,  界面の電気的性質一般  (BM03081H)

物質索引 (1件)： BEDT-TTF

引用文献 (38件)：

• ISHIGURO, T. Organic Superconductors. 1998
• KANODA, K. Hyperfine Interactions. 1997, 104, 235
• KAWAMOTO, A. J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 10984
• ICHIMURA, K. Synth. Met. 2003, 133-134, 213
• ICHIMURA, K. Synth. Met. 2003, 137, 1229

タイトルに関連する用語 (7件)： 走査型トンネル顕微鏡 ,  BEDT-TTF ,  Cn ,  Br ,  波 ,  超伝導ギャップ ,  観測