抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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著作権の制限規定(権利制限規定)についての議論の概要を紹介すると共に,米国フェアユース規定の適用の実際に触れた上で,権利制限規定のあり方について考察した。インターネット検索サイトによる他人の著作物の掲載の問題を中心に日本の個別的権利制限方式と米国のフェアユース規定による一般的権利制限規定について論じた。個別的権利制限は事業者に萎縮効果を生み日本の競争力を削いでいるとの主張がある。平成21年著作権改正は,このような主張への一つの回答となる。新技術やそれに伴う著作物の新しい利用形態に親和的といわれることに関連した訴訟における米国フェアユース規定の適用に関する2事例を紹介した。平成21年改正以後における一般的権利制限規定の導入の是非の議論について解説した。権利制限規定とは何かについて再考し,権利制限規定が認める利用行為の内には,本来的に自由な行為が含まれいる,その自由な部分に著作権が及んでしまう危険性を排除するために著作権の範囲を「制限」しているという考え方を述べた。著作権の「拡大」を「制限」することが表現の自由を保障する仕組みとして正当化されると理解されている。