Kenai渦はアラスカンストリームに沿って南西に伝播する高気圧性渦であり,Rovegno et al.(2009)によって発見された。この渦は,アラスカ湾北部に位置するKenai半島の南方で形成,高温の陸棚水を中心付近に保持すると指摘されているが,その特性および影響はまだよく分かっていない。2009年,我々はアリューシャン列島南岸で,おしょろ丸・白鳳丸により,Kenai渦を横断観測,渦中心付近にArgoフロートを投入した。本発表では,これらのデータの解析により明らかになりつつあるKenai渦の変質過程について報告する。(著者抄録)