ハワイの西方に延びる幅の狭い東向きのハワイ風下反流(HLCC; Hawaiian Lee Countercurrent)は西方から温かい海水を輸送,その高海面水温偏差の帯にそった大気収束,雲の生成が衛星で観測されている。本研究では大気海洋結合モデルで,その大気海洋相互作用がさらに海洋に影響を及ぼすか調べた。結合モデルで大気側が受取る熱フラックスの算出に用いる海面温度を平滑化した感度実験を実施したところ,標準実験のHLCC流量の方が約10%多く,大気収束がHLCCを維持,強化することを確認した。また,風の収束帯のエクマンパンピングと風の収束帯の南側の表層エクマン流によって流軸の南側の加速が顕著であった。(著者抄録)