抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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福島第一原子力発電所原子炉1,2,3号機の水素爆発,4号機の,燃料棒保存プール周辺での爆発による大量の放射性物質の放出が報告されている。本稿では,長野高専の校内において放射線の空間線量を継続的に測定した。福島第一原発の水素爆発の後に,線量の一時的な増加が見られ,その後減少していく様子が観測できた。さらに,校内の土をサンプリングしヨウ素131,ウラン235核分裂反応の生成物として知られている放射性物質が検出できた。空間線量の測定では,福島原発の事故のあと,急激な線量率の増加が見られ,その後減少した。はじめの1週間程度の減少率は,半減期の短い核種による放射線が支配的で,2-3週間以降は半減期の長い核種の放射線による自然放射線レベルの2~3倍の放射線量が測定できている。土壌のガンマ線を調べてみると,
131Iからのガンマ線にエネルギー的に近いものが得られ,その収量は時間とともに減少している。その半減期は,
131Iの半減期とほぼ一致している。また,エネルギーだけの判断では,
132Te,
134,137Csからのガンマ線に相当する検出があり,それらの収量は相応に減少している。こうした結果から,福島第一原子力発電所で放出された放射性物質の一部は,長野市まで達し土壌を汚染していると考えられる.