抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,製造品質の向上や強固なセキュリテイのために,高度な要求に対応した次世代非破壊検査装置の開発が望まれている。現在,一般的に利用されているX線検査装置の検出器で得られる情報は透過X線の強度情報のみであるため,装置からのアウトプットはモノクロ画像となる。一方,X線分析用途ではX線光子のエネルギー分解機能をもった検出器を用いて可視光検出と同様に波長情報を得ることが一般的であるが,スループットが非常に低いことと,液体窒素やペルチェ素子による検出器の冷却が必須であることから工業用途には実用的ではなかった。そこで,常温でもエネルギー分解機能を有し,かつ工業利用可能な高いスループットを実現するX線デジタルスペクトロメータを開発するに至った。本製品のX線検出部には,ショットキー型CdTe半導体素子を用いており,室温動作でドーズ量600kcpsの条件下において10keVのエネルギー分解能を実現している。本製品を用いることで,CT像のアーチファクト除去,材料識別などのエネルギー情報を活用した原理的な画像改善方法や,ターゲットを絞った高機能画像化アプリケーションが実現可能である。また,明瞭なコントラストを確保できることから,従来方式よりも1/100~1/1000程度の少ないドーズ量で同等の画質を得ることができ,低被爆撮像が可能となり,医療やバイオなどの検査精度向上に貢献できる。