抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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富山県においてカシノナガキクイムシの寄主であるコナラの被害を調査したところ,幹の直径が10cmを超えて大きいものほど,幹の表面積当たりの穿入孔密度が増加した。また,直径が小さいものでは,初めて穿入される年が遅れる,あるいは穿入を免れる傾向が認められた。さらに,枯死木の幹の直径が大きいものほど,材内に生存する幼虫の穿入孔当たり個体数が増加した。したがって,ミズナラなどの樹種に関する従来の報告と同様に,幹の直径はカシノナガキクイムシの選好性や繁殖に関係し,サイズが大きいものほど,繁殖に好適な資源であると考えられた。また,コナラが伐採された跡地において,伐根の年輪数を調査したところ,コナラのほとんどが1970年以前に更新していた。加齢による大径化は,カシノナガキクイムシの繁殖に好適な資源を増やしたものと考えられた。しかしながら,富山県で初めて被害が発生した2002年以前から,コナラは繁殖が可能な直径に成長していたことから,大径化は被害が発生した直接的な要因ではなく,被害の増加や拡大に寄与する間接的な要因であると解釈された。(著者抄録)