抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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米国と中国は政治的にも経済的にも差異が大きいが,情報社会の側面においても,二つの異なる路線の超大国として並び立とうとしているように見える。このような,情報社会の多様性はどのようなメカニズムで生まれるのだろうか。本稿では,Twitterを事例として取り上げ,米中における利用の差異を,政府・企業・社会の関わりから捉え,三主体が両国それぞれのコンテクストで関わり合うことで,Twitterが全く異なる場として存在していることを明らかにした。すなわち,米国ではTwitterのユーザーは基本的に政府を支持し,政府もユーザーに透明性や参加機会を提供する建設的な関係にあるといえる。米国政府とTwitter社の関係も,政府がTwitterのメンテナンス延期を支持したり,民主主義における価値を認めたりするなど,肯定的な関係である。それに対し中国では,Twitterユーザーは政府に批判的なことが多く,中国政府もTwitterを含むソーシャルメディア企業に対し検閲や遮断といった手段をとっている。中国のソーシャルメディア企業の多くは,そうした政府の要求を受け入れ自主規制も行っているが,Twitter社は既に遮断されているため,それ以上の直接的な政府との関わりは持っていない。また米国のTwitterユーザーは,CNNやTwitter社の行動を変える働きかけを行うなど,Twitterの社会的意義を認め,それをさらに拡大するような関わり方をしている。中国のTwitterユーザーも,Twitterを利用しようとしているものの非常に少数であり,社会的影響力を発揮できていない。