文献

J-GLOBAL ID：201202251847731885   整理番号：12A0087541

物語説明場面の話者身振りに生起するマイクロスリップ-聞き手位置とエピソードの複雑さが及ぼす影響-

著者 (6件)： 末崎裕康 (総合研究大学院大) ,  古山宣洋 (総合研究大学院大) ,  古山宣洋 (国立情報学研) ,  古山宣洋 (東京工大 大学院総合理工学研究科) ,  関根和生 (国立情報学研) ,  関根和生 (日本学術振興会)
資料名： 電子情報通信学会論文誌 A  (IEICE Transaction on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences (Japan Edition))
巻： J95-A  号： 1  ページ： 157-164  発行年： 2012年01月01日 
JST資料番号： S0621A  ISSN： 0913-5707  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 人の対話場面では,発話による言語情報だけでなく,身振りや視線,うなずきといったいわゆる非言語情報もやり取りされている。この非言語情報を詳細に観察すると,その行為は一定の流れの中で遂行されるだけでなく,時によどみも生じる。人の行為に見られるよどみは一見無駄に見えるが,情報を多く含むものである。本論文では,物語説明課題を行う話者の手の身振りに見られるよどみのうち,特にマイクロスリップ(microslips)と呼ばれる微細なよどみを観察し,その生起傾向を検討することを目的とする。マイクロスリップとは錯誤行為に至る前に修正される微細なよどみを指し,ある行為が活性化し,遂行され始めた後に調整され,その調整の過程で生じるとされる。そのため,対話場面でのマイクロスリップを観察することで,人が環境に適応しながら行為を遂行する有様を検討することができる。本研究では,マイクロスリップの生起頻度に関する定量的分析を通し,(1)聞き手位置とエピソードの違いがそれぞれ影響を及ぼすこと,(2)身振り視点切換頻度との関連が部分的に見られたことを示し,これらの結果についてHAIとの関連を中心に考察する。(著者抄録)

シソーラス用語： *コミュニケーション ,  挙動 ,  報告 ,  *操作
準シソーラス用語： エピソード ,  *マイクロスリップ ,  身振り ,  *非言語的コミュニケーション ,  物語説明

分類 (1件)： 自然語処理  (JE06000L)

引用文献 (14件)：

• S. フロイト, 日常生活の精神病理学 (池見酉次郎, 高橋義孝訳), フロイト著作集4 (懸田克躬他訳) 所収, pp, 5-237, 人文書院, 京都, 1970.
• D. A. Norman and T. Shallice,“Attention to action: willed and automatic control of behavior,” in Con sciousness and Self Regulation: Advances in Research vol. IV, ed. R. J. Davidson, G. E. Schwartz, and D. Shapiro, pp. 1-18, Plenum Press, New York, 1985.
• J. T. Reason,“Laspes of attention,” in Varieties of At tention, ed. R. Parasuraman and D. R.. Davis, pp. 515-549, Academic Press, New York, 1984.
• E. S. Reed, C. F. Palmer, and D. Shoenherr,“On the nature and significance of microslips in everyday ac-tivities,”生態心理学研究, vol.4, Ilo.1, pp. 51-66, 2009.
• 末崎裕康, 古山宣洋, 関根和生, “アニメーションの物語説明における身振りにマイクロスリップは生じるか? 一コミュニケーション場面におけるマイクロスリップに関する研究,”日本生態心理学会第3回大会発表論文集, pp. 10-13, Sept.2010.

タイトルに関連する用語 (10件)： 物語 ,  説明 ,  場面 ,  話者 ,  身振り ,  生起 ,  マイクロスリップ ,  聞き手 ,  エピソード ,  複雑さ