抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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中山間地域の内発的発展をめぐる理論的諸問題について,都市経済の内発的発展論の到達点をふまえた結果をもとに検討を加えた。それは第1に,日本の内発的発展論には,運動論的で動態的な発展プロセスを踏まえた政策論になっていないことがある。第2に,都市は食料や水を供給する農村なしには存続できないのだから,農村が危機なら支援すべきであるという議論の説得性の問題がある。第3に,中山間地域の基幹産業は農林業であり,農林業の振興を柱とするのは当然という発想の限界である。第4に,発展の地域単位を集落と規定することの限界である。第5に,グリーンツーリズムは,国民的制度構造の改革だけでなく,東京一極集中についての理解と改革への展望が欠かせないことである。これらを踏まえると,中山間地域の内発的発展論においても,都市性,ローカルな発展の極という空間戦略,知識労働の意義,動態的比較制度アプローチ,都市経済の内発的発展論に安住しない内発的発展論の発展をめざす等の視点の導入が必要である。