抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究は,生命観測定尺度を用いて,生命観を構成する生物概念及び生命概念の下位概念間の構造やそれらの関係を明らかにすることを目的とする。小学校6年生及び中学校2年生の児童生徒を対象に,測定尺度を国内の広い範囲で実施した。クラスター分析の結果,生物概念では,先ず推測と客観的知識がクラスターを形成し,次に機械論が結び付くことが示された。生命概念では,先に価値と命,次に擬人化と生気論がクラスターを形成し,これらクラスター同士が結合したものにアニミズムが結び付くことが示された。児童生徒に内在する思考に基づいた生命観の階層構造が明らかとなった。空間的位置関係を検討するため多次元尺度構成法を行った結果,座標軸を境にして生物概念と生命概念は別次元に配置され,機械論とアニミズムは,生物概念と生命概念の各下位概念とは座標軸を境にして別次元に配置されることが判明した。下位概念間での相関分析の結果,学年が上がると推測は他の概念と相関が強まり,同様に,機械論とアニミズム,価値と命の相関も強まることが示された。価値,命はそれぞれ,擬人化,生気論,推測とも相関が強くなり,獲得した知識が増すごとにそれらを応用し,生き物を情意的に捉えていることが示された。したがって,中学校2年生の方では,生物概念と生命概念の関係が増すため,その2つの概念が両輪となって生命観を形成していくことが明らかとなった。(著者抄録)