文献

J-GLOBAL ID：201302221718788197   整理番号：13A0747312

台湾・大屯火山群の酸性温泉の地球化学的特徴と起源

Geochemical Characteristics and Origins of Acid Hot Spring Waters in Tatun Volcanic Group, Taiwan

著者 (6件)： 大沢信二 (京大 大学院理学研究科 地球熱学研究施設) ,  LEE Hsiao-Fen (京大 大学院理学研究科 地球熱学研究施設) ,  LIANG Biqing (台湾中央研究院 地球科研) ,  小森省吾 (台湾中央研究院 地球科研) ,  CHEN Chang-Hwa (台湾中央研究院 地球科研) ,  鍵山恒臣 (京大 大学院理学研究科 地球熱学研究施設火山研究セ)
資料名： 温泉科学  (Journal of the Balneological Society of Japan)
巻： 62  号： 4  ページ： 282-293  発行年： 2013年03月31日 
JST資料番号： F0950A  ISSN： 0030-2821  CODEN： ONKAA  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 台湾・大屯火山群の代表的な温泉から温泉水を採取し,化学・同位体分析を行った。水の安定同位体組成(δD・δ¹⁸O)から,温泉水は,水の蒸発の効果を受けたものがあるものの,概ね天水起源であることが示されたが,北投地熱谷の温泉水には安山岩質マグマからの火山ガスの寄与が認められた。酸性の温泉には,SO₄の硫黄同位体比(δ³⁴S),塩化物イオン濃度,Cl/SO₄比がともに高いものと,逆にδ³⁴S,塩化物イオン濃度,Cl/SO₄比がともに低いものの少なくとも2種類の温泉水が存在し,前者はマグマ性熱水流体に由来し,後者はそれから2次的に生じたacidic-SO₄型水質の蒸気加熱型熱水からもたらされていることが示された。既存の化学分析値を用いた大屯火山群の全酸性温泉のCl/SO₄比の地理的分布から,マグマ性熱水流体に由来するacidic-Cl-SO₄型熱水の流出が北投温泉,七星山周辺から東側のエリアならびに紗帽山の東方にあることが示唆された。この見解は,VLF-MTによる表層の電気伝導度分布からの見立てと概ね一致している。(著者抄録)

シソーラス用語： *台湾 ,  火山 ,  酸性 ,  温泉 ,  塩化物 ,  硫酸塩 ,  マグマ ,  熱水 ,  硫黄同位体 ,  *温泉水 ,  *水質
準シソーラス用語： 起源

分類 (1件)： 水圏・生物圏の地球化学  (DD01030A)

引用文献 (25件)：

• 浅森浩一. 日本列島における火山周辺の酸性地下水分布. サイクル機構技報. 2002, 15, 103-111
• American Public Health Administration. APHA Volume on standard methods of water analysis. 2012
• BELOUSOV, A. Deposits, character and timing of recent eruptions and gravitational collapses in Tatun Volcanic Group, Northern Taiwan : Hazard-related issues. J. Volcanol. Geotherm. Res. 2010, 191, 205-221
• CHEN, C. H. Eruptions younger than 20 ka of the Tatun Volcano Group as viewed from the sediments of the Sungshan Formation in Taipei Basin. West Pacific Earth Science. 2002, 2, 191-204
• 陳柏淳. 臺北地區〓泉露頭調査與水質分析. 經濟部中央地質調査所94年度研究發展 專題. 2005, 70

タイトルに関連する用語 (5件)： 台湾 ,  酸性 ,  温泉 ,  地球化学的特徴 ,  起源