抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ヨーロッパでは,低エネルギー建物の認定基準のクリアには,地中熱ヒートポンプの利用が重要な位置を占めつつある。初めに,著者が所属する北海道大学で実施した低エネルギー実験住宅の研究プロジェクトを紹介し,そのコンセプトを含めて分析結果を詳述した。合わせて,太陽光発電システムの併用についても論じた。さらに,これまでの経験と研究をもとに,実際に家族用住宅として,地中熱ヒートポンプを導入した都市型パッシブ低エネルギー住宅を建設して,その利用状況と分析結果を報告した。特に,低エネルギー住宅のコンセプトと断熱仕様,多熱源ヒートポンプシステムと床放射暖房,多熱源ヒートポンプ給湯システム,換気システムと季節的パッシブ調湿換気システムを紹介した。測定結果から,年間エネルギーフロー,室内温湿度の年変化,床暖房運転方法の違いによる室内温度環境とヒートポンプシステム性能の比較評価を行った。寒冷地におけるエネルギー自律住宅の方向性の分析から,建物の断熱を確保し,高効率な熱回収換気装置の導入による低熱負荷を目指すこと,さらに,地中熱を主とするヒートポンプ低温放射床暖房,給湯は太陽熱集熱器と地中熱を主とするヒートポンプ給湯の組合わせシステムが,性能的また経済的に最も現実性が高いと結論した。