抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究課題は,南アルプスの高山帯・亜高山帯にこれまで進出していなかったニホンジカの影響と対策を考えるために,1)高山・亜高山帯における植生影響対策を目的とした研究,2)大きな影響が危惧される植物種の保護のための増殖技術確立と遺伝的特性の研究,3)ニホンジカの個体数管理のための調査および効率的な捕獲方法の研究,4)捕獲したニホンジカの行動調査と飼育管理技術の研究を行った。本稿では,ニホンジカによる被食・剥皮状況,ニホンジカの出没状況,ミヤマハナシノブ・キタダケソウの培養に関して報告した。ニホンジカの植生への影響は依然強いものの,その年次的な変化に特定の傾向は見られなかった。また,針葉樹への剥皮は,高茎草原が存在している山塊の方で多いことが明らかとなった。センサーカメラによる調査の結果,2700mの旧北岳山荘付近でも多くのニホンジカが生息していることが明らかとなった。ミヤマハナシノブは,種子親での発芽率に大きな違いがあったため,得られた無菌実生の数には差があったが,いずれの無菌実生からは多芽体を誘導することが可能であった。キタダケソウは,採取した種子のうち,充実したものは少なく,培地置床30日後では発芽する個体は観察されなかった。(著者抄録)