海洋における成層強度と混合層深度の経年変化は生態系に影響を与えることが示唆されている。チャクチ海は世界的にみて生物生産の高い海域である。本研究ではLadd and Stabeno(2012)の方法に基づいて成層強度を計算し,その時空間変動を検討した。計算には2007-2013年の7-月に行われたチャクチ海における航海観測データを用いた。結果,チャクチ海全体で全期間平均すると,密度成層に対する塩分の寄与率は69%を占めていることが示された。さらに,チャクチ海南部の成層強度は9月になると7-8月の4倍程になり,特に2012年9月は他年9月の3倍程の値を示し,成層強度が季節経年変動することが示された。(著者抄録)