抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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兵庫県の南西部に位置する有馬温泉およびその周辺地域のいくつかの温泉(泉源)から採取してきた比較的塩分濃度の高い温泉水,ならびに,付随する遊離ガスの化学・同位体分析を行ったところ,有馬型熱水と水質のよく似た同位体的性質(水のδD-δ
18O,He同位体組成など)の異なる高塩分の温泉水(鉱泉水)が吉川温泉に流出していることを認めた。吉川温泉の地下深部流体は,平野の地下に賦存されると考えられている続成流体と似ている点が多いが,付随ガスの主成分がCO
2であること,温泉水のHCO
3濃度が高いためにNa-Cl・HCO
3型の水質となっていることが異なる。吉川温泉の炭酸成分の成因の理解が,水質・ガス組成に見かけの違いが生じる理由を知る上で重要であるが,同位体を用いた吉川温泉の付随ガスのCO
2やHeの起源の推定結果は,少なくとも,これら温泉のガス成分の供給源が地殻より深いところにはないことを示唆している。(著者抄録)