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J-GLOBAL ID:201502247579985202   整理番号:15A0209360

ペロブスカイト型Co酸化物のスピンクロスオーバー現象:その歴史と現状

Spin-Crossover Phenomena in Perovskite Cobaltites; Their History and Current Status
著者 (3件):
資料名:
巻: 70  号:ページ: 6-13  発行年: 2015年01月05日 
JST資料番号: F0221A  ISSN: 0029-0181  CODEN: NBGSA  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 解説  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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遷移金属化合物では,温度や圧力などの外部条件により原子(イオン)のスピン状態が変化することがある。このスピン状態が変化する現象をスピンクロスオーバー,(あるいはスピン転移)と云う。ペロブスカイト型,及び関連の結晶構造をもつCo酸化物はこの現象を起す物質群の1つとして注目されてきた。LaCoO3はその代表的物質として1950年代より多くの研究が行われているが,スピン状態についての議論が変遷し,現時点においても統一的理解にいたっていない。本稿では,LaCoO3の物性を概観し,何がこの物質のスピン状態及び転移の統一的理解を困難にしているのかを述べたい。LaCoO3では,CO3+に6個の酸素がほぼ立方対称に配位したCoO6八面体が頂点を共有して3次元的に繋がり,この物質の磁性と伝導を担っている。LaCoO3は全温度領域で常磁性であるが,最低温ではほぼ零である磁化率が温度上昇と共に増大し100K付近で極大を示すという通常の常磁性体では見られない振る舞いを示す。さらに,500K付近にも電気抵抗の急激な減少を伴った磁化率の異常がある。現在まで,LaCoO3における100K近傍と500K近傍の磁気的電気的異常にCO3+のスピン転移が関係しているという多くの提案がなされている。Co3+のスピン状態の説明をする。球対称ポテンシャルのもとで5重縮退した3d軌道は,酸素のつくる立方対称の結晶場により,2重縮退のeg軌道と3重縮退のt2g軌道に分裂し,軌道のエネルギーは前者が後者に対して高い。結晶場中のCO3+(3d)6の電子配置は,結晶場の大きさと原子内交換相互作用との兼ね合いで決まる。前者の利得が優先されると,電子配置が(t2g↑)3(t2g↓)3で合成スピンがS=0の低スピン状態(LS)が,後者の利得が優先されるとHund則を満たす電子配置(t2g↑)3(eg↑)2(t2g↓)1でS=2の高スピン状態(HS)が実現する。更にその中間の(t2g↑)3(eg↑)1(t2g↓)2の電子配置でS=1の中間スピン状態(IS)もあり得る。これまでに知られているCO3+,Fe2+錯体中の(3d)6電子配置では通常ISは出現せず,LS-HS間のスピンクロスオーバーが配位子場理論で説明されてきた。...(著者抄録)
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分類 (2件):
分類
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酸化物結晶の磁性  ,  金属-絶縁体転移 
引用文献 (34件):
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