抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本特集では,人間工学におけるアクセシブルデザイン関連の国際規格化動向と日本の貢献について紹介する。ISOにおけるアクセシブルデザインのスタートは2000年の政策宣言(ISO/IEC Policy Statement)に遡る。この引き金となったのが1998年の消費者政策委員会(COPOLCO)であり,日本の関係者が高齢者の問題を訴え,その結果WGが設立された。このように,ISO/1ECの政策宣言やGuide 71はすべてCOPOLCOから,日本の呼びかけから,生まれたものであり,TC159「人間工学」におけるアクセシブルデザインの活動は,ISO/IEC Guide 71の制定を受けてスタートした。現在TC159の中にはアクセシブルデザインに関するワーキンググループ(WG)が3つある。1)TC159/WG2「特別な要求のある人々のための人間工学;2)SC5/WG5「特別な要求のある人々のための物理環境」;3)SC4/WG10「消費生活用製品のアクセシブルデザイン」である。制定された規格体系は,3階層で構成され,Guide 71がトップに位置する指針としてあり,その下に具体的技術指針としてTR22411があり,最下層に個別規格がある。さらに,規格書に加えて「高齢者・障害者の感覚特性データベース」があり,アクセシブルデザイン技術を普及させる新しい手段となることを期待されている。規格を作成しただけでは,世の中に普及していくとは限らないし,利用者が自分に適した製品を見つけるのも容易でない。これらの課題を解決するために,アクセシブルデザイン製品の認証制度の構築に向けた検討が行われている。アクセシブルデザイン規格に適合した製品に認証マーク等を付与し,その認証番号をもとにインターネット上でデータベース検索をすると,その製品の仕様の詳細(アクセシビリティに係るどのような配慮がなされているか等)が引き出され,購入者が商品選択の参考にすることができる,という仕組みである。