抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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「物の所有」は老若何女問わず我々が持つ基本的な概念である。所有とは,ある物体を自分のものとして持つと同時に,その物体を自らの占有状態に保つために,自分以外の人物に対して排他性を持たせるものである。この排他性を他者に意識させ,自らの所有を主張する行動が所有表現である。所有や使用の権利の調整には利害がともない,所有表現はそれらの感情表出をともなって所有意思の伝達が行われる。擬人化エージェントに所有の概念を与えたり,擬人化エージェントが物を所有していることを人間に伝えたりする適切な表現についての試みはこれまで行われていない。我々は,表現モダリティのうち表情に着目し,所有の段階を,未所有状態,所有維持状態,所有放棄状態,未所有の状態において自らの所有欲求「欲しい」を示す所有欲求状態の4つに分け,表情変化の違いによって,エージェントの異なる所有状態を表現することが可能であるかを検証した。その結果,人間がエージェントの前に置かれた物を取ろうとしたときのエージェントの怒りの表情はエージェントの所有状態「私の物」を,未インタラクション状態における表情は所有放棄状態「いらない」をそれぞれ表現していると解釈された。(著者抄録)