抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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X線CTの周辺技術を実際的な見識に基づき概説し,最新の装置とソフトウェアで得られた画像を紹介し,鋳造品の内部品質の評価手法を解説した。X線CT検査の実務では分解能を稼ぐため,あるいはX線を透過させるため,試料を小さく裁断して撮像することもある。230keVマイクロフォーカスX線CT装置によるダイカスト製品の連続的なデジタル画像として出力された撮像例では,高さ約100mmのアルミニウム合金(ADC12)製品の画素サイズは0.141×0.141×0.08mmとなり,3画素分,つまり有効直径0.24mm以上の鋳巣を検出すべく,ソフトウェアによる処理を行う。鋳巣は不定形をしているため,同じ体積を持った球に置き換えて,その直径で5段階に分類し,色分けした。同じ試料の細部を拡大し,3次元的に可視化した画像に着目すると,以下のことが観察できる。1)気泡が固まってできた巻込み巣は,滑らかな丸い形状をしている。2)金属組織の凝固によりできた,ひけ巣は不安定形状をしている。3)鋳巣が連鎖した構造,表面にリークしている状態,湯流れが関係していると思われる鋳巣の構造,さらに,断面で見るとリング状,3次元にすると半球状の鋳巣,数十ミクロンオーダーの巣が集まった構造,析出してきた銅合金を撮像した。このように,鋳鉄の微細構造をX線CTで撮像し,黒鉛の3次元構造を可視化し,画像解析を試み,黒鉛粒子の球状化率を3次元的に算出する方法を確立した。さらに,凝固時間が長くなるに従い,表面積が大きく,より複雑なチャンキー黒鉛が形成されることを明らかにした。