抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本稿では,農業分野における障害者就労に必要な経営要素の獲得プロセスを先進事例の分析から明らかにした。農業分野における障害者就労を本格化させている事例について,1)福祉分野の主体がそのまま進出,2)福祉分野の主体が別途主体を形成して進出,3)農業分野の主体がそのまま進出,4)農業分野の主体が別途主体を形成して進出の4事例を取り上げて分析した。それぞれを比較分析した特徴は,第1に取り組みの契機は,いずれの事例も農作業体験の実施や交流であった。そのため,初期段階では農業分野と福祉分野の主体の相互理解やマッチングを行う機会が重要である。第2に福祉分野から進出した主体は,農業分野の知見を得るため,知見を有する人材との連携体制を構築したり,新たに雇用するなどして弱点を補強していた。第3に農業分野から進出した主体は,障害者に理解のあるスタッフがいるセクションを設け,障害者をケアするなどして障害者の雇用環境を整備していた。農業分野における障害者就労を本格化させている事例では,上記のようなプロセスを経て,結果的に農業分野,福祉分野それぞれの知見や経営要素を兼ね備えた体制を構築している。その結果,農業の維持,障害者および健常者の雇用拡大といった点で農村地域の再生に寄与している。(著者抄録)