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J-GLOBAL ID:202102210787264860   整理番号:21A0132491

反復法ライブラリLisを用いた地磁気地電流法の差分法3次元数値計算

3D finite difference forward modeling of magnetoterrulic method using the library of iterative solvers for linear systems, Lis
著者 (2件):
資料名:
巻: 2009  ページ: ROMBUNNO.20090019(J-STAGE)  発行年: 2009年 
JST資料番号: U0063A  ISSN: 1347-8826  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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電磁探査法の一種であるMagnetotelluric(MT,地磁気地電流)法は,自然に存在する磁場(地磁気)とその大地への入射に伴う電流(地電流)を測定し,その比から地下の比抵抗構造を求める探査手法であり,資源や地殻等の地下比抵抗構造の調査で広く利用されている。MT法では赤道付近で発生した雷放電が電離層での反射を繰り返し全地球を伝播する現象や,太陽活動に伴って磁気圏や電離層に発生する電磁場を信号源としている。観測は入射する磁場とそれに伴って大地に発生する電場をそれぞれ磁場センサーと電極で時間領域において測定する。データ解析は取得した時系列データを周波数変換し,電場と磁場の比から算出した見掛比抵抗を利用した地下比抵抗構造の解釈に加え,より定量的な解析として,観測データから地下比抵抗構造を推定する逆解析も実施されている。MT法の測定データから地下構造を推定することは典型的な逆問題であり,この逆問題の中では通常,既知の地下構造から測定データを予測計算する順解析を複数回行う。順解析は大地が一次元構造の場合は解析解が得られるが,2次元以上の地下構造を想定する場合は,支配方程式であるMaxwell方程式を離散化して数値的に解く。陸域におけるMT法のデータ取得から数値解析は,2次元解析まではほぼ実用化されたと言ってよい段階にあるが,3次元解析については,計算コストと精度の問題により,一部商用探査での適用例もあるが,依然として研究段階である。さらに近年,陸域のみならず,海域におけるMT法の利用への注目が高まり,極めて低比抵抗の海水を数値計算の中で取り扱う必要が出てきた。そこで,これまで利用してきた計算手法の見直しや,あらたな計算手法の研究が世界的に進められている。MT法の順計算では,主として差分法,有限要素法,積分方程式法が用いられているが,特に差分法,有限要素法における連立方程式の求解(前処理を含めた反復法)について,地球物理分野ではこれまで主にCG法とその改良形であるBiCG法やBiCGSTAB法,あるいはQMR法やGMRES法などが用いられてきたが,それ以外の反復法の適用可能性についてはあまり検討されてこなかった。また前処理についても,基本的なJacobi前処理,不完全Cholesky分解,ILU(0)などが検討されてきたが,反復法,前処理を同時に比較する報告は,電磁探査の数値計算においてはほとんどなされていない。本研究では,Maxwell方程式を差分法により電磁ポテンシャルを用いて離散定式化した後,連立方程式を反復法プログラムLis(Library of Iterative Solvers for linear systems)を援用して種々の反復法,前処理により求解し,その特徴を調べるとと共に,Lisのような優れた計算工学分野の成果を地球物理・物理探査分野へ適用する可能性を検討した。その結果,通常用いられることの多いBiCGSTAB法やQMR法に比べて高速なFGMRES法が有効であることがわかった。また複数の前処理による計算結果からは,収束回数と計算時間を考慮した総合的な計算コストの点ではILU(0)が現時点では最も効果的であることを示した。電磁探査法の3次元応答計算における線形連立方程式は条件数が大きく,定式化や実装によって有効な前処理や反復法も異なってくると考えられる。そのような中で,Lisのように可搬性が高く,簡便に種々の反復法・前処理を利用できるライブラリを適用することで,今後重要になると考えられる沿岸域における陸海同時解析や,大規模構造解析において,より効率良く3次元解析手法の開発と適用が行えると考えられる。(著者抄録)
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分類 (1件):
分類
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電気探査・検層 

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