抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
プラズモニックチップは,グレーティング結合表面プラズモン共鳴場として増強された励起場を提供でき,プラズモニックチップ上に置かれた蛍光分子からの発光は,プラズモンと再結合する蛍光増強効果を発揮する。ここでは,ライン&スペース(1次元)およびホールアレイ(2次元)構造を有するプラズモニックチップを用いて,顕微蛍光イメージングおよび顕微分光法により,共鳴波長と増強係数を評価した。プラズモニックチップの増強係数は,励起増強係数と蛍光増強係数の積で構成される。いずれの蛍光分子においても,2次元での発光増強係数は1次元の1.3倍であり,2次元パターンでは全方位角成分をより有効に利用できるため,明るい蛍光イメージングに有利であることがわかった。次に,同心円構造を有するブルズアイ型プラズモニックチップにおける蛍光ナノ球の増強蛍光の研究では,1光子励起発光(1PE)および2光子励起発光(2PE)を検討した。チップ裏面からの透過光系では,100Wcm
-2以下のレーザー光(波長945nm)でもブルズアイパターンの中心部のみに2PEの輝点が観測された。輝点の尾方向は励起光の偏光と一致し,360度全方位から集めた増強電場が中心で重なると考えられる。さらに,ブルズアイパターンの中心部では,蛍光体ナノ球の1PEプラズモンナノアンテナ効果が観測された。このアンテナ効果は,ブルズアイパターンの共振波長と中心部の構造に依存する。凹型とハーフピッチサイズでは,アンテナ増強率が最大となった。実験と計算の結果から,適切な構造を提案し,アンテナ増強率を向上させることができた。(翻訳著者抄録)