抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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誘導電動機の速度センサレスベクトル制御は,高性能な制御方式として広く用いられている。この方式では,電圧誤差の補償が重要であるが,相電流零付近では,電流の僅かな変化で電圧誤差が大きく変化するため,現実的なAD変換器の分解能や電流センサの精度を考えると正確な補償が困難になる。従って,極低速で相電流が零付近に長時問滞在する条件では,大きな速度推定誤差を生じ,速度制御が不安定となる。本論文では,この問題を根本的に解決するため,相電流非ゼロ制御法を提案する。相電流非ゼロ制御は,電圧制御誤差を低減するため,相電流指令値がゼロ付近の禁止領域に滞在しないように操作する方式である。この結果,速度推定波形のリプル成分が大幅に低減された。また,相電流非零制御による,電流および電圧の高調波成分は,速度推定の入力から差し引くことにより影響を低減できた。提案方式の効果を極低速域の様々な条件で試験した結果,5min
-1(定格の1/300)まで安定に動作することを確認した。電圧制御精度の問題からも,5min
-1は,制御性能の限界と考えられる。