抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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超高真空RFマグネトロンスパッタリング法によりMgO単結晶基板上にエピタキシャルFePt,FePd,CoPt,およびCoPd合金薄膜を形成し,膜材料,基板結晶方位,および基板温度が,膜成長,膜構造,および磁気特性に及ぼす影響について系統的に調べた。高い基板温度で形成したFePtおよびFePd膜に対して,MgO(001),(110),(111)のいずれの基板上においても,L1
0規則相が得られた。また,基板温度600°CでMgO(001),(110)基板上に形成したCoPt膜に対しても,L1
0規則相が形成された。これらの膜では,基板温度の上昇に伴い,L1
0相への規則化が進行した。L1
0相への規則度は膜材料により変化し,FePd>FePt>CoPtの順に高い規則度が得られた。MgO(001)基板上では,L1
0-FePd膜はc軸が基板面と垂直である(001)結晶から構成されているのに対し,L1
0-FePtおよびL1
0-CoPt膜は(001)結晶に加え,c軸が基板面と平行となった(100)結晶を含むことが分かった。MgO(110)基板上では,L1
0-FePtおよびL1
0-FePd膜はc軸が基板面と平行である(110)結晶とc軸が膜面垂直方向から約45°傾斜した(011)結晶の複合結晶膜であるのに対し,L1
0-CoPt膜は(110)結晶のみから構成された。MgO(111)基板上では,c軸が膜面垂直方向から約55°傾斜した(111)面が基板面と平行に配向したL1
0-FePtおよびL1
0-FePd膜がエピタキシャル成長した。MgO(111)基板上に形成したCoPt膜に対しては,準安定相であるL1
1規則相が得られた。基板温度を上昇に伴いL1
1相への規則化が促進されたが,基板温度が300°Cを超えると規則度が減少した。CoPd膜に対しては,いずれの規則相も形成されなかった。磁気特性は,膜の結晶構造,結晶方位,および規則度により変化した。(著者抄録)