抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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抵抗性誘導剤ベンゾチアジアゾール(BTH)は,植物の防御応答シグナル伝達経路(サリチル酸経路)に作用して,病原体抵抗性発現の準備効果(プライミング効果)を発揮する。本研究では,約300の防御遺伝子を統括的に制御し,プライミング効果の鍵となる転写因子WRKY45を見いだした。構成的プロモーター(トウモロコシ・ユビキチン・プロモーター)の制御下にWRKY45を過剰発現させたイネ(WRKY45-oxイネ)が,いもち病と白葉枯病に強い抵抗性を示した。WRKY45-oxイネはプライミング効果により抵抗性反応が病原体感染後に活性化するので,防御応答に関わる転写因子の過剰発現から起こる生育障害は比較的少なかった。しかし,環境の影響で恒常的に抵抗性反応が誘導され,生育障害が強くなることがあった。イネのサリチル酸経路は,WRKY45経路とOsNPR1経路に分岐しており,この二つは機能分担をして,より高度な病害応答を可能にしていると推測された。