抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
速度vで動いている質量mの物質は,波長λ(=h/(vm);hはPlanck定数)の波として記述できる(de Broglie波(物質波))。実際に重い分子の運動が波として記述されることはそれほど多くはない。例えば,C
60フラーレンが二重スリットに対して干渉する実験はその一例である。最近,S.Gerlichらはペルフルオロアルキル化パラジウム錯体[PdC
96H
48Cl
2F
102P
2]分子(分子量=3378.5amu)の物質波をTalbot-Lau干渉計を用いて観測した(Angew.Chem.Int.Ed.2008,47,6195-6198)。その結果,観測された波動が親分子ではなく,そのフラグメント分子[C
48H
24F
51P](分子量=1601amu)に由来するものであることを見いだした。この結果は重い分子の物質波の考え方が質量分析法に利用できることを示唆する。