ファイバブラッググレーティング(FBG)では,光ファイバのコアに紫外線の干渉縞で書き込んだ回折格子により特定の波長のみが反射するが,長さ方向のひずみにより反射する波長が変化するため,FBGの反射波長を検出することにより,ひずみの測定が行える。しかし,FBGを用いて多点測定を行う場合,光源および光学系が広帯域化するなどの問題がある。これに対し,光周波数掃引を用いた光周波数領域反射測定法OFDR(Optical Frequency Domain Reflectometry)により,不等光路型干渉計の光路長差(位置)の情報を周波数領域で分離すると,多点化した同一特性のFBGの反射位置を測定することができる。本文はFBGとOFDRを組み合わせ,同一特性のFBGによる多点化並びに反射波長の異なるFBGの多点化を検討し,構築した実時間測定システムによる多点ひずみ測定の基礎的実験を行った。そして,光周波数掃引を用いて複数のFBGの反射波長を実時間で測定できるシステムを構築できた。