近年のICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)の進展による多様な情報サービスは生活をより便利で豊かにしつつある。一方,障害者や高齢者はこれらのサービスを十分に利用・活用できないという情報格差に直面している。そこで,当所では,高齢者や障害者を含め誰もが豊かで高度な放送サービスが楽しめる「情報バリアフリー」に向けた技術の研究開発を積極的に進めている。本稿では,放送における視覚障害者を対象にした情報バリアフリー技術の課題をあげるとともに,現在,当所が取り組んでいる触覚提示技術および音声提示技術の研究について解説する。(著者抄録)