抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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IPCCが,第4次報告書(2007年)で地球温暖化問題に関して,気候変動システムの研究はほぼ完全に解明され,次の課題は研究ではなく,迅速な対策であるという断定的な結論を述べた。地球表層の気温を決めている多くの変数の中で,最重要な要素とみなされてきた温暖化ガスの9割は水蒸気で,残りがCO
2他の成分である。しかし,温暖化ガスよりも桁違いに大きな影響を持つのが雲であり,雲1%が0.6°Cの温度効果を持つのに対して,CO
2の量1ppmの温度効果は,0.004°Cにすぎない。地球の気温はほとんどが水蒸気の温室効果と雲によるアルベドに左右され,更に雲の量は,銀河宇宙線の量の増減に左右されるという新説が1998年に提唱された。この新説を,宇宙線照射量,太陽活動度及び気温のデータに基づいて検証すると,この考えが正しいことが見事に実証された。すなわち,太陽の相対黒点数が激減した時代は宇宙線照射量が増加し,小氷河期と呼ばれるほどに気温が低下した。その逆が現代や中世の温暖期である。気候のような複雑な系の現象を扱うには,演繹的な手法で予測することは困難であり,近過去の観測データをパラメータ化して数値計算予測を行い,経験的な予測にならざるを得ない。銀河宇宙線と太陽活動の関係及び地球温暖化ガスの効果を加味した経験的な予測に従うと,21世紀はIPCCとは,まるで逆になる。2008年以降少なくとも2035年めで,一方的に寒冷化に向かう。2035年に気温は1900年並みになる。火山噴火,惑星の軌道と自転軸のぶれ,地球磁場強度の減衰を加味すると,更なる気温低下を招くはずである。2つの予測は正反対なので,予測の違いは毎年顕著になってゆく。したがって,この論争は5~10年で決着するであろう。人類の行き過ぎた活動が地球の限界に達し,それを自制しようという運動は正しいが,地球温暖化問題は人類の異常な増加を支える自然現象であり,まるで逆なのである。地球温暖化は大陸の内部に湿気を運び,緑を増加させ,より多くの動物を養うことができる。人類史上前例がないほどに増加した現代では,わずかな寒冷化が世界全体に前例がない混乱を招くであろう。そして,寒冷化は2008年1月から本格化し始めている。それが短期的でなく長期的になる予兆は太陽の黒点周期によって既に現われている。