抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
静岡県富士宮市西富士開拓地域の3戸の酪農家は,舎飼い酪農を基本として1頭当り10~20aの小面積放牧区による5時間程度に制限した放牧方法を取り入れている。本来,放牧管理は運動負荷により周産期の疾病を予防して発情発見率や受胎率が向上すると言われているが,この地域の牛群検定成績を分析した結果,放牧管理を取り入れた酪農は,舎飼い酪農と比較して平均産次数,平均除籍産次数は延長したが,初回授精日数や分娩間隔の延長,JMR(平均遅延日数)や受胎に要した授精回数の増加といった繁殖成績の低下が認められた。繁殖成績が最も低下していた酪農家の放牧期と舎飼い期に代謝プロファイルテスト(MPT)を行った結果,放牧期のエネルギー代謝,蛋白質代謝および肝機能の各検査項目において適正値からの乖離が認められた。これらの原因は,放牧管理を取り入れたことによる分娩から泌乳最盛期までの乾物(DM)量,可消化養分総量(TDN)の摂取不足,さらには乾乳期における採食量のばらつきにあることが考えられ,結果として受胎が遅延して繁殖成績に悪影響を及ぼしていることが推察された。(著者抄録)