抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本連載では量子光学に関連した様々なトピックスについて基礎からその最先端にわたるまで幅広く学んできた。今回は共振器量子電気力学(cavity Quantum Electrodynamics1)という分野についてその基礎を紹介する。そして,単一原子と単一共振器モードとの相互作用について,その基礎を紹介した。共振器により原子の置かれた環境が変化し,その結果として自由空間にある場合と異なった原子と光子の相互作用が現れた。不可逆と思われがちな自然放出は共振器モードと強く結合する際には可逆的なラビ振動となること,物質固有の定数と思われてきた自然放出レートは共振器モードと結合することで大きく増強されることがその特徴的効果である。共振器量子電気力学の分野は,原子やイオンを用いた実験により多くの原理実証がなされてきた。今後の応用および機能の集積化の観点からみれば,固体系における実現が期待されるところである。ナノ構造作製技術などの進展により,特に,ナノ構造,半導体量子ドットとフォトニック結晶の発展により,固体における共振器量子電気力学も今後着実に進歩していくものと期待できる。