抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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温暖化予測を行う多くの気候モデルは,計算資源の制約から,その水平解像度が100kmから数百kmである。しかし,この程度の中解像度のモデルでは,沿岸の物理環境を十分に再現できないことが知られている。例えば,日本近海では,黒朝の流速が弱く,離岸の緯度も現実よりも高緯度に位置する。Sakamoto et al.(2005)は,高解像度の気候モデルを用いた実験で,現実的な黒潮流路を再現し,黒潮流速が温暖化に伴い約30%増加することを報告している。地球温暖化が海洋生態系に与える影響評価,特に日本近海の沿岸から外洋を回遊する小型浮魚類の影響評価には,黒潮を含む現実的な海洋物理場の再現結果を利用することが望まれる。我々は,地球温暖化が海洋生態系に与える影響を評価するため,物理環境の変化(温度や海洋循環場など)から海洋の低次・高次生態系(植物・動物プランクトン),水産資源の変動(小型浮魚類:マイワシやサンマなど)までを統合的に取り扱うことのできる高解像度海洋生態系-水産資源モデルの開発に取り組んでいる。本研究では,マイワシ太平洋群を例にして,温暖化シナリオおいて,マイワシが再生産可能か,または回遊が変化するかをモデル結果より検討した。(著者抄録)