抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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感染症の流行対策を計画する場合,過去の膨大な統計資料から疫学的および生物学的に重要な情報を抽出する作業が欠かせない。本稿では,歴史統計を利用した具体的事例として,天然痘の伝播に関する定量的研究の方法について報告した。特に,統計疫学モデルが必要とするマイクロスケール(個体レベル)データのニーズを理解することを通じて,欠かすことのできない歴史統計の種類・特徴を明らかにし,それに対応するデータベースを構築する際の疫学的問題について解説した。まず,これまで歴史研究の領域で利用されてきたデータベースの概要と特徴を紹介した。次に,歴史統計から抽出すべきデータの性質について述べた。具体的には,潜伏期間,感染性期間,及び致命割合の3つの推定問題を例として示した。その上で,統計疫学モデルを動機とするデータベースの構築について述べ,データベースの問題点及び歴史統計を利用する上での疫学的問題について考察した。