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J-GLOBAL ID：201002215126358570   整理番号：10A0002773

インドネシアトバ・バタック族の伝統的民家の温熱・風環境

著者 (3件)： 出口清孝 (法政大 デザイン工) ,  菅原圭子 (大成建設) ,  菅原圭子 (法政大 エコ地域デザイン研)
資料名： 民俗建築
号： 136  ページ： 56-63  発行年： 2009年11月30日 
JST資料番号： S0132B  ISSN： 0289-9574  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： インドネシアのバタック族(スマトラ島の中央北部に位置するトバ湖の周りを中心に生活している民族)の伝統的民家を現地調査し,その住居での,室内外の温熱・風環境を実測調査から以下の知見を得た。1)屋根の妻壁にある複数のスリット,垂木受と屋根板の間,床板の隙間などから通風が得られ,建物内は換気が十分できる環境である。2)船型の大きな屋根は,日中,広場に広い範囲で影をつくり屋外地表面温度の上昇を抑える役割を担っている。3)屋外におけるSET(標準新有効温度)の値は,日射の強い時間帯は28~35°Cで,日中屋外では厳しい暑さ環境である。4)母屋の居間における垂直温度分布では,12時・15時は日射の影響により屋根面付近が40°C以上と非常に高くなるが,居住域は30°C程度で,大きな屋根が熱溜りを形成し,居住域が高温とならない働きをしている。垂直湿度分布から,床下空間より居室内の方が湿度が低く,多湿地域における高床式の有効性を確認できた。

シソーラス用語： *インドネシア共和国 ,  *住宅 ,  *温熱環境 ,  通風 ,  換気 ,  屋根 ,  地表温度 ,  集落 ,  温度分布 ,  住環境 ,  室温 ,  相対湿度 ,  民族 ,  *風環境 ,  標準有効温度
準シソーラス用語： SET【温度】 ,  バタック族

分類 (2件)： 住宅建築,農村建築,城  (RB05040V) ,  建築環境一般  (RB02010T)

引用文献 (5件)：

• 太田邦夫、東南アジアの木造住居II、バタック・カロとシマルングンの住居、新建築社、1981年、第56巻2号、pp. 323~326
• 高橋貴・神谷平一郎、トバ・バタック族の家屋、リトルワールト研究報告、第6号、1982、pp. 67~112
• 高橋貴、建築雑誌 Vol.98, No.1214, 1983年、pp. 40~43
• 西安信ほか、快適な温熱環境のメカニズム、豊かな生達空間を目指して、空気調和衛生工学会、1997
• 出口清孝ほか、インドネシアにおける高床式住居の環境工学的特長の解明、日本建築学会大会環境系、2009、pp. 151~154

タイトルに関連する用語 (4件)： インドネシア ,  伝統的民家 ,  温熱 ,  風環境