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J-GLOBAL ID：201002234219641196   整理番号：10A0705892

『鋳銭図解』に見る「床焼」について

著者 (4件)： 清水康二 (奈良県橿原考古学研) ,  長柄毅一 (富山大) ,  奥山誠義 (奈良県橿原考古学研) ,  三船温尚 (富山大)
資料名： Fusus  (Fusus)
号： 2  ページ： 35-44  発行年： 2010年01月29日 
JST資料番号： L7846A  ISSN： 1883-0056  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 寛永通宝の鋳造作業の実態は享保13年仙台領石巻銭湯場を描いた『鋳銭図解』(甲賀宜政,1923)などによって知られるようになった。これらの絵図は,荒銅の搬入から完成品の検査までを詳細に記したものである。「床焼」工程については,熱処理を行なって脆弱性を除くとする説「熱処理説」と着色工程とする説「着色説」がある。本研究では,寛文期(1661~1673)以降に製作した4点の新寛永通宝について,赤外分光分析やSEM-EDX,EPMAなどによる金属組織観察を行なった。その結果,『鋳銭図解』に描かれた「床焼」は,鋳肌面を黒色に仕上げ,研磨部分を金属の色調にすることで視覚的効果を演出するものであることが判明した。

シソーラス用語： *鋳造 ,  遺跡 ,  *考古学 ,  生産工程 ,  着色 ,  熱処理 ,  金属組織 ,  貨幣 ,  青銅 ,  赤外分光分析 ,  走査電子顕微鏡 ,  エネルギー分散X線分光分析 ,  電子プローブX線分析 ,  相組成 ,  反応生成物 ,  色相 ,  鋳肌 ,  表面処理
準シソーラス用語： 考古遺物 ,  EPMA【表面分析】

分類 (2件)： 金属工学一般  (WA01010O) ,  鋳造法,鋳込  (WC01030Q)

引用文献 (10件)：

• ・小口八郎 発表年不明「銅および銅合金の着色」『金属材料』第7巻第11号 P.38-P.41
• ・北出鎮之 1993「『石巻鋳銭場作業工程絵図』と『鋳銭図解』についての比較考察」『方泉處』創刊1号 (株) ハドソン東洋鋳造貨幣研究所
• ・工藤裕司 (編) 1998『新寛永通寳図会』(株) ハドソン・東洋鋳造貨幣研究所
• ・工藤裕司 (編) 1998「新寛永通寳分類入門講座」『方泉處』22号 (株) ハドソン・東洋鋳造貨幣研究所
• ・甲賀宜政 1923『鋳銭図解』

タイトルに関連する用語 (1件)： 床