抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本シリーズではこれまでに第一原理計算に関する基本的な項目の解説を行なってきた。本稿では,そもそも第一原理とは何か?について著者の見解も含めて述べた。英語での”First principles”およびラテン語での”ab initio”の表現の意味合いについて触れ,厳密な定義というよりもこの分野(物理系でバンド計算を行なう)に携わる研究者の大筋の見解として「何等実験結果によらない(参照しない)」が適切であることを示した。そして,この定義にもかかわらず,実際には例外もあり特に平衡格子定数の計算では実験値の比較で確認することがなされる。このような例外も含め第一原理計算とは何かを考えるために,筆者が行なったSi(001)表面でのダイマー構造の計算例を示した。筆者は,この計算を行なう上で初期位置の与え方が重要な要素なるが,このような行為は第一原理と呼べるかと自ら疑問を呈した。そして,これに対する自らの意見等を示した。さらに,その他の「第一原理計算?」と思われる例として,第一原理ではない場合,第一原理とは言えない場合,第一原理と思っていない人もいる場合,第一原理と言って良い場合について示した。最後に,著者の個人的見解を述べた。