抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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リンゴの輸出は,2015年に3万トンを超えたが,価格の高騰などにより鈍化傾向になっている。今後,輸出を増加するためには,販路拡大が必要である。問題は,残留農薬である。実績のある台湾では残留農薬基準値の設定を要望して,ほとんどの農薬で設定されているが,その他の国では,日本で使用される農薬の多くで設定されていない。基準値設定を相手国に要望すると同時に,どのようにこの問題をクリアするか検討が必要である。輸出量が急増している香港をターゲットとして試験した。輸出区と慣行区を設定し,各区で組み立てた防除体系により,スピードスプレーヤで農薬を散布した。各々から採取した果実を一斉分析した。両区ともに,香港で残留基準値が設定されていない農薬は不検出,検出された農薬でも残留農薬基準値以下であった。また,農薬によって残留程度に差があるのがわかった。有袋栽培では残留農薬を低減する効果が期待できるので,同じ樹のなかに有袋果と無袋果を設定して試験した。果実を採取して残留分析を行ったところ,無袋果ではわずかな農薬が検出されたが,有袋果ではすべて不検出であった。しかし,有袋栽培では,労力およびコストがかかるため,より効率的な管理・栽培技術が必要になる。